雨だれの音に思う　　'01.05.02

Ｇ．Ｗ中日の今日は、雨模様の一日でした。世間はお休みの人あり、平常どおり働いている人ありとさまざまのようです。

私はといいますと暦に従い、デスクに向かっておりました。子供も寝静まった今、窓の外の雨だれの音を聴きながらこれを書いて

います。

思えば自分のこれまでに設計した建築たちは、その多くが勾配屋根に覆われています。屋根が好きなことは確かなのですが、

フラットルーフのデザインがヘタクソなのか、なぜか気がつくと屋根を架けているのです。それはともかく、私はできるならば屋

根面の雨を受ける軒樋を付けないでおきたいと考えています。軒先から大地へと落ちる雨だれの音はとても心地良いからです。

一定のリズムではなく、ファジーでいくつもの音が重なって聞こえるそれは、雨の日という暗いイメージではなく「晴耕雨読」の

休息の日を感じさせます。右を見ても左を見ても携帯電話のピコピコサウンドがあふれる現代にあって、街中にいながら自然の音

を聴くことができる数少ない時ではないでしょうか。かくいう私もケータイの手放せない日々を送っているのですが・・・。

だからこそ雨の日にはこんなふうに建築と自然との会話（雨音）を楽しみたいなどとと思うのです。（角田曉治）

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