椅子が好きです　　'01.06.21

建築家の多くは椅子好きです。私も御多分にもれず椅子フリークの一人です。現在のコレクションはといいますと、コルビュジェ

のバスキュラント・チェア（ＬＣ１）、ジョージ・ナカシマのナカシマベンチ、柳宗理のバタフライ・スツール、リートフェルト

のジグザグ・チェア、トーネットのホフマンのコピーもの、それに子供用の名も無き小さな三本足（これは納戸に埋もれていたも

のを自分でグリーンに塗装し直しました）、これまた納戸で壊れていた背もたれ部のラインが美しい引出し付きベンチ（これは張

り地を張り替えました）ｅｔｃ．です。それぞれが、家具ショップのバーゲンなどを狙って安く購入したものばかりです。

椅子は見て楽しみ、座って楽しむことができるアイテムです。名作建築は手元に置いて愛でることはできませんが、名作椅子は所

有することができます。デザインや座り心地などから、デザイナーの手の痕跡や優しさ、意地悪さを感じ取ることができます。空

間は椅子一脚を置くことで劇的に変化します。私はできるだけ自分の設計した住宅や空間に置く家具も選ばせてもらいたい、もし

くはコンセプトにそったものを選んで頂きたいと考えています。勿論、それぞれの場所で要求される条件（ゆっくりくつろげる、

ちょっと腰掛ける、物書きをする、デザインを見て楽しむｅｔｃ．）をクリアしたものであることは言うまでもありませんが。

美しい椅子と互いに響き合う美しい空間を創りたいものです。

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