夏を旨とすべし　　'01.08.06

まさにうだる暑さが続く毎日です。お天道様はこれでもかとばかりに容赦無く照りつけ、たまに吹く風も熱風状態です。こんな日

々を過ごしていると、かつて吉田兼好が『徒然草』に記した様に、日本では家は夏を旨として（夏に過ごしやすい様に）建てるべ

きだということを痛感します。湿度の高い日本の気候では、住居も開放的なつくりとして、風通しを第一に考える事が重要です。

現代のようにエネルギーを消費し、外部に熱を放出しつつ冷風を提供するエアコンに頼るばかりでは、刹那的な心地良さと引き換

えに、生物本来の機能（気候への適応能力）が失われて行く事も否めません。さらにはヒートアイランド現象に見られるように、

自動車やエアコンの排熱が都市の温度をさらに上昇させるという悪循環が発生しています。

地球環境のために私達が出来る事の一つに、自然の通風を最大限に取りこんだ家づくりがあると思います。これは夏ばかりではな

く、冬にも結露防止などに必要です。

限度はありますが、基本的には自然の摂理に従って暑い時は汗をかき、それゆえにたまに吹く風の心地良さや有難さを味わうこと

ができる、そんな家を創りたいと考えています。

それにしても早く涼しくなってほしいものです！（角田曉治）

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