Patisserie KARAN・phase2
小さな増築によるファサードの発展的上書き
２０１２年に竣工した「パティスリー菓欒」の小さな増築である。
交通量の多い道路側ファサードに付加されたストックスペースは外壁
面を車の流れを受け止める一枚のフラットな壁として表現するため、
店舗のサインや竪樋は壁面の中に埋め込まれている。その足元は雨や
経年による汚れを防ぐためと、軽やかさを生み出すために、地面から
浮いた納まりとしている。この壁面は、エントランスである既存部の
シリンダーや、店舗の飾り出窓の縁取りなどと呼応して、ファサード
に新たなバランスを生み出すことを意図している。
またエントランスの脇には、来客用駐輪スペースや簡易なイートイン
スペースのために、鉄骨と木ルーバーにより構成したパーゴラが設け
られた。平面的には緩やかなカーブを描く道路側の木板張り既存ファ
サードの壁面線を引き延ばした円弧と、駐車スペースの斜めの線を組
み合せて構成している。柱の足元には登はん性の植物を植え、時間の
経過とともに草屋根と連続し、シリンダーとも一体となった緑の空間
がつくりだされることを目指している。
■計画地 ：京都市
■構造・規模：木造（増築部） Ｓ造（パーゴラ）
■建築面積 ：５．９３㎡（２４０．５７㎡）
■延床面積 ：５．９３㎡（３４０．１４㎡）
□設計期間 ：H.２８．０４ ～ H.２８．１０
□工事期間 ：H.２８．１０
ＷＯＲＫＳ