House in Matsugasaki
自然素材の白い家
京都市左京区松ヶ崎に建つ木造住居。斜線制限から生じる片流れ屋根
を登り梁で支えるワンルームのシンプルな白い箱である。一階はリビ
ングであるくつろぎの間と、そこから見えないように配置された水回
りで構成し、吹抜けを介してつながる２階には主寝室や子供スペース、
ロフトといったパーソナルなスペースを配している。くつろぎの間は
大きな開口を持ち、南側の庭と全面的につながるとともに中央のダイ
ニング上部に設けられた吹抜からたっぷりと光が降り注ぐ。東西に離
れて配置された主寝室と子供スペースには、吹抜けに面して回転する
障子窓が設けられており、視線と風の抜けを実現している。様々な場
所や部屋が視覚的にも庭を共有することや、単純なプランの中に、程
よい視線の交錯を生み出すことなどを意図し、アプローチ・玄関・く
つろぎの間・そして庭へと、外から内へ、内から外へと一つの軸を縫
うように場面が展開していくことを目論んでいる。外部はうっすらと
刷毛で引いた手の痕跡の感じられるテクスチャーを持つ塗り壁とし、
内部には珪藻土のクロスや檜の無垢フローリングといった自然素材を
多用することで、抽象的な白という色彩でまとめつつも、ぬくもりの
感じられる空間となっている。
■計画地 ：京都市左京区
■構造・規模：木造 F2＋ロフト
■建築面積 ：５２．９９㎡
■延床面積 ：８２．８０㎡
□設計期間 ：H.１６．０４ ～ H.１６．０９
□工事期間 ：H.１６．１２ ～ H.１７．０３
ＷＯＲＫＳ